2013年12月13日金曜日

学童いいはなし

  先に募集していた学童いいはなし。素晴らしい原稿をいただきました。広報誌さくらもちへの掲載が紙面の関係で難しかったので、ブログのみの掲載となります。

  皆さんの学童いいはなしありましたら、hideoshigoto@yahoo.co.jpまでどうぞ(^∇^)






きんぎょ

 

ある日、6歳の娘、きりがなにかのお祭りで金魚すくいをしてきたらしい。今どきは金魚がスーパーボールに取り変わっているものだとばかり思っていたぼくは「へぇ~」と思った。金魚すくいはきりの思い通りいかず、成果ゼロに終わったそうだが、店のおじちゃんが1匹くれた。その金魚が洗面器のなかで泳いでいる。世話といってもえさをやるぐらいだけれど、なにやら洗面器の中の金魚に話しかけたりしているきりを、ぼくはほほえましくみていた。

 

おとなの勝手な気づかいで、洗面器が貧相で、しかも仲間がいないのはかわいそうだ、ときりを連れ、金魚環境を整えるべく買い物にでかけ、仲間2匹とちいさな水槽やら水草やらわけのわからない置物の岩やら買い込んできた。その日から洗面器よりは少々立派な水槽に小さな金魚が3匹泳ぐことになった。


 

1週間後、朝、家を出るときに水槽を見ると、どうも1匹の様子がおかしい、弱っている。

その夜、帰宅すると玄関脇の植込のところに白い札が・・・もしや!と思い近づいてよく見ると「きんぎょのおはか」と書いてあった。そしてプラスチックのカラフルな墓標があった。それを見てぼくはクラクラした。そして、とても悲しい気持ちになったきりはどうだろう?きりの心を推し量り、いよいよ悲しい気持ちになったけれど、その日は夜も遅くきりと話をする機会がなかった。

翌日、帰りの電車の中で、ズキリと金魚のことを思い出し、悪い予感が当たらぬように、と祈りつつ帰宅した。そして、真っ先に墓標を確認すると・・・悪い予感は当たってしまった。墓標がふたつ。見つけた瞬間に膝が折れた。さらにそれから二日後には墓標がみっつになり、プクプク出る泡にゆられる水草だけの水槽になってしまった。命が抜け落ちた水槽の前でぼくは絶望感に打ちひしがれ、悶絶した。

 

週末、ついにきりと話をする機会がやってきた。大人的言い訳やらなにやら、どこから話そうかと思い悩んでいるぼくをよそに、きりはこう話し始めた。

「きんぎょちゃん、みんなしんじゃったね。いきものはね、いつかしぬんだよ。しんだらね、つちにかえしてあげればいいんだよ。それでね、おはかをつくってあげるとね、ずーっときんぎょちゃんのことをわすれないんだよがくどうでそうしてるよ。

淡々と話すきりのその言葉と態度に僕は少なからず衝撃を受けた。ペットを飼ったことがないわが家に初めてやってきた生き物一瞬ではあったが、尋常ではない愛を注いでいたきりがそう言った。

「ちょっと冷たいなぁ、なみだ、とかないの?」喉元まで出かかったその言葉をぼくはグッと飲み込んで「そうだね。」と答えた。

 

生きとし生けるものすべて人の心の中にこそ生き、そして命の輝きを放つということについて、ずっと先かもしれないけれど、そのうちいつかきりと話ができればいいな、とぼくは思っていた。もしや6歳にして「生き物の生と死」を達観してしまったのだろうか?なんだかその日は、きりのうしろ姿が禅僧のように見えた。

 

「生き物の生と死」をきりが最初に学んだのは、学校でも親でもなく、学童だった。

親としてこどもに話してやらなければならないことは山ほどある。ただ、あせってはいけない、心に響くタイミングが重要だ、と自戒している。6歳のきりは、表に出した自分の感情が相手からどう跳ね返ってくるのか、自分の価値観が集団からずれているのかいないのかを、少しずつ、少しずつ、確かめながら長い人生の準備中である。

この時期に、近づきすぎず、離れすぎず、目を離さず、こどもたちの心のありようをていねいにみつめてくれる指導員の方々に出会えたことは、本当に幸運である。

 

一父母として、施設の管理だとか運営だとか方針だとか、大人の都合で決まるものは、粛々と受け止めざるを得ない、と思っている。ただ、現在の学童は指導員の方々と父母たちとこどもたちの心の関係を、大人もこどももない人と人とのつながりにまで成長させる土壌がある。行政が大人の都合でそこにメスを入れようとしているならば、超がつくほど誠実かつ丁寧かつ慎重にやってもらいたい、と強く強く強く望む。

2013年12月10日火曜日

学童保育業務の総合的な見直しについての意見交換会について

学童保育業務の総合的な見直しについての意見交換会について

市のHPに先に行われました意見交換会の議事録、意見がアップされました。

http://www.city.koganei.lg.jp/kakuka/kodomokateibu/jidouseisyounenka/info/D550302020131209.html