2015年8月14日金曜日

1ダース分のひとり言 第十話「事業評価ってなんだ?」

■事業評価ってなんだ?

昨年、今年度からの民営化を見据えて新しく参入する事業者の運営に対する評価が必要であることを市側と確認した。しかし、その形式や実施方法などの具体的内容が定まらぬまま民営化に突入してしまった。

今年度、第二回の運営協議会において「事業者に対する評価」が改めて議題となり、協議を進めてきた。市側の意見は二転三転したが、結局は民営化された4学童の「利用者の満足度調査」程度をやればよく「おおむね満足」の結論を導くことができれば、参入した事業者はうまくやっていると評価できるという意見だった。

あれっ?ほんとうにそうだろうか?
過去から現在まで連綿と積上げてきた「保育の質の維持向上」に対するチェックがそれでできるのだろうか?運営主体が民間事業者であれ、市であれ、これまでと同じかもしくはよりよい保育が実践されていないといけないはずだ。そのための【運営基準】であり【運営協議会】であったはずだ。「事業者評価」ではなく「事業評価」であるべきだ。事業者が事務仕事さえ滞りなくこなしていれば利用者はそれで満足しないといけないのだろうか?

危機感を感じた協議会委員が中心となって評価のあり方から内容に至るまで詰め、みなみ中村さん発案【運営基準】に示された項目に沿って利用者に問うという、小金井独自の「利用者アンケート(案)」を市側に提案するに至った。さらに、民営化された4学童のみならず9学童全体で同じ調査を実施し、学童間で差のない保育が実践されていることを確認することも市側に申し入れた。また、今年度限りの調査では事業の継続性が見えないことから「実施要領」を定め毎年実施することも市側に申し入れた。

この「平成27年度小金井市学童保育所利用者アンケート」と「小金井市学童保育所利用者アンケート実施要領」の策定は、市側と細かい調整を加えながらまさに現在進行中である。8月の代表者会議で承認のうえ8月の第5回運営協議会で決定され、9月に実施の運びとなる予定である。

また、このアンケート結果の活用方法は大きく以下の四点ある。
【運営改善への活用】事業者(直営、民営共)の弱点を抽出し運営の改善に活用する。
【全体事業への活用】9学童全体の運営状況のバランスを読み取り、学童間で差のない保育を実践するために活用する。
【情報公開への活用】学童の運営内容について広く利用者に知ってもらうために活用する。
【次期委託への活用】委託初年度にどのような問題が起こったかを検証し、次に予定されている民間委託への準備のために活用する。

さて、ぼくたちはこの方法をもって小金井学童の質の高い保育を次世代につないでいくことができるだろうか?


前野武彦