2015年8月2日日曜日

1ダース分のひとり言 第一話「行財政改革ってなんだ?(その一)」

前野会長より大人向け夏休みの自由研究、題して「1ダース分のひとり言」を掲載いたします。

【まえがき】
子どもたちが大好きな夏休み真っ盛り。思いっきり遊ぶ一方で、宿題も調子よく進んでいることを願わずにはおれません。

大人たちもそろそろ夏休み、子どもだけに宿題をさせているわけにはまいりません。


さてそこで、大人向け夏休みの自由研究「1ダース分のひとり言」をご提供させていただきます。けっしていやがらせをするつもりはありませんが、退屈かつ長い文章を続々と送ります。

人生の交差点で袖が触れ合ったみなさまと、限られた一年という時間をできる限り有意義に過ごしたい、という切なる願いを込めております。

一回ごとにそれぞれ最後にみなさまへの問いかけが仕込んであります。知っている人も知らない人も、それぞれのお立場でぜひご感想やご意見をお寄せください。特に初めて学童を経験されている方々のご感想をお待ちしております。そして、ベテラン父母の方々に少々厚かましいお願いです。事実誤認や間違いなどお気づきになりましたら即座に矢を放ってください。
それでは早速第1話です。

■行財政改革ってなんだ?(その一)

小金井市は、遡ること20年前、平成7、8年と2年連続で全国財政ワーストワンの都市となった。巷ではドリカムのLOVE LOVE LOVEやミスチルのシーソーゲームなんかが流れていたころだ。 光陰矢のごとし、ずいぶん昔のようで、つい最近のことのようでもある。

さて、火の車状態の小金井市では、平成9年、行財政改革を訴えて初当選した稲葉市長による新市政がスタートした。同年、早速「第1次行財政改革大綱」が策定され、平成12年には学童事業において正規職員3名体制から正規職員2名+非常勤職員1名体制へと移行した。

平成14年には「第2次行財政改革大綱」が策定され、翌平成15年に児童福祉審議会の設置、「学童業務の見直し」について諮問されることになる。市は学童の「民間委託」について児童福祉審議会に意見を求め、児童福祉審議会は「相応の条件を満たした中であれば、可能性はある。」と答申している。

児童福祉審議会には、当時の現役学童父母も委員として1名参加していて、この答申を導くために先輩父母たちは、連日連夜、喧々諤々、ものすごい量のエネルギーとアルコールを消費した、と記録にある。

引き続き、平成18年に「第2次行財政改革大綱(改定案)」を経て、平成22年に「第3次行財政改革大綱」が策定され、平成26年度に「量的拡充及び質の維持・向上を図るための総合的な見直し」の一環として、市内全9学童のうち4学童の民営化が具体化し、ついに今年度(平成27年度)から4学童において「公設民営」としての運営が始まった。

この経緯においても、準備不足として民営化を一度白紙に戻したり、民営化する学童の数について熱く議論したりと、ここでもまた先輩父母たちはものすごい量のエネルギーとアルコールを消費したと聞く。

現在、市はさらに行革を推し進めるべく「第4次行財政改革大綱策定に伴う市民意向調査報告書」なるものを作成している。その中で、学童事業に関連した市民の意見として「市職員による運営・民間事業者等による運営に拘らず、財政支出が少なく、質の高いサービスを提供できるものが、サービスを提供すべきである。」と結論づけている。もっともこれはアンケートの回答枝がそうなっていただけで、大いに誘導された感があるのだが・・・

ザッとこれが平成9年から現在に至る18年間の小金井市行財政改革における学童事業変遷の歴史だ。ともあれ、小金井市は現在も学童事業の民営化を推し進める途上にある。

さて、ぼくたちは一人の小金井市民としての立場で、学童事業をどのようにとらえればいいのだろうか?そして一人の学童利用者としての立場で、市の財政にどのような意見を持てばいいのだろうか?


参考
第3次行財政改革大綱 https://www.city.koganei.lg.jp/kakuka/kikakuzaiseibu/gyoseikeiei/siryou/dai3zigyoukakutaiko.files/dai3jigyokakutaikou.pdf

第4次行財政改革大綱策定に伴う市民意向調査報告書
http://www.city.koganei.lg.jp/kakuka/kikakuzaiseibu/gyoseikeiei/info/ikouchousahoukokusho.files/houkokusho.pdf

書籍:民間委託で学童保育はどうなるの
著者:東京小金井の親たち
出版:公人社